せっかく獲得した内定先がブラック企業かもしれない、と思ったとき、どのように行動するべきでしょうか。
1. 自分にとってのブラック企業を定義する
「ブラック企業」という言葉がメジャーになり、ネットの情報や周りの人たちの意見に左右され、自分の内定先がブラックではないのかと思う就活生が増えているようです。
しかし、ブラック企業の定義は、自分がどんな働き方をしたいか、したくないかということによって変わるものだということを覚えておきましょう。
例えば、長時間労働させられる企業は一般的にブラック企業だと言われますが、たくさん働いてお金を稼ぎたい人や短時間で成長したいと考えている人にとっては理想的な企業であると言えます。一方、年功序列で出世する競争のない企業は、安定した生活を志向する人にとってはホワイト企業かもしれませんが、実力主義の中で若いうちから出世したい人にはブラック企業と捉えられることもあります。自分が実現したい働き方、生き方によってブラック企業とホワイト企業の定義は変化します。世間に氾濫している「ブラック企業」のあいまいな定義に惑わされず、自分はどんな企業で働けたらいいかということをまず考えてみましょう。
2.ブラック企業度を項目ごとに判別する
自分にとってのブラック企業が定義できたら、今度は内定先がブラック企業を判別していきましょう。ここでは、「労働時間」「給料」「年功序列か実力主義か」の3項目に分けて説明します。
①労働時間
企業の労働時間を調べるためには、企業の採用ホームページか東洋経済新報社の「就職四季報」を参照してみましょう。「就職四季報」においては、勤務時間のほかに有給消化率や月の残業時間も記載されています。仕事はほどほどにしてプライベートを充実させたいか、成長のためなら長時間でも働きたいかによって自分のブラックではない労働時間は変わってくるでしょう。
②給料
給料を調べるためにも、企業の採用ホームページか「就職四季報」を見てみましょう。一般的に、伝統的な大企業の初任給は20万円前後で、ベンチャー企業や外資系企業などは伝統的な大企業よりも高額な初任給になることが多いです。
伝統的な大企業の初任給があまり高くないのは、長く働いてもらうために最初のうちは戦力にならない新入社員を育成する風土を反映していると言えます。一方、ベンチャー企業や外資系企業は、新入社員のころから高い給料に見合ったパフォーマンスが求められる傾向にあります。また、離職率の高い業界においては、社員を集めるために高い給料を設定しているところもあります。
また、給料はあまり高くないが労働時間が長いハードな条件の企業もあります。このような企業は、給料が安くても長時間労働でもやりがいを感じられるからそれでいい、という社員を求める傾向にあるため、達成したい目標や得たい技術が明確な人に適していると言えるでしょう。
③年功序列か実力主義か
年功序列か実力主義かは、社員に聞いてみるのが良いでしょう。内定後、配属先についての質問がしたいなど口実をつけて、OB訪問を取り付けてみましょう。「自分より年下の上司がいるか、年上の部下がいるか」といった聞き方をすると効果的です。
また、年功序列か実力主義かは業界ごとにある程度決まってくる側面もあります。顕著に年功序列なのは、インフラ系・メーカー系で、実力主義の傾向が強いのは不動産や証券と言われています。
3. 就活をやり直す
総合的に判断して、やはり内定先はブラックである、という結論に達したならば、就活をやり直した方が自分の将来にとって良いでしょう。
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