大学を留年して来年もう一度就活に挑む(就職留年)のと、あくまでも現役卒業を目指して現学年のままで就活を続けるのは、どちらがいいのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
■「就職留年」のメリット
1.就活のために多くの時間を費やせる
就職留年最大のメリットの一つは、現役生以上に就活に時間を使えるということです。その時間を自己分析や企業研究に割くことができます。自己分析と企業研究をしっかりやると、その分自分の適性や今まで知らなかった業界や仕事を知ることはでき、結果的に自分に合った企業に行ける確率が高まります。
2.行きたい企業にもう一度挑戦することができる
多くの日本企業は、新卒採用で多くの人材を採ります。中途採用という道もありますが、数はそれほど多くありません。どうしても行きたい会社・業界がある場合は、新卒採用に応募するのが入社への近道と言えます。新卒として就活できるのは学生時代しかありませんので、たとえ留年したとしても内定が取れれば全く問題ありません。一方でデメリットもありますので(後述)、そちらも考慮してみましょう。
■「就職留年」のデメリット
1.一部の業界では留年は不利
就職留年を決断する際に「留年は就活で不利になるか?」という疑問は当然生まれてくると思われますが、企業側の本音としては、留年しようがしまいが実力がありさえすればいい、というものなので、一概に留年が不利と言い切ることはできません。しかしながら、一部の業界で留年は不利になるのは事実です。有名なのは金融業界で、特にメガバンクは留年した学生を極端に嫌う傾向があります。よって、メガバンクに就職したいがために留年するのは考えものです。逆に、ベンチャー企業やIT業界は留年に寛容な傾向があるようです。留年を決断する際には、自分の目指す業界の留年生への対応をよく調べてからにしましょう。
2.同じ業界にチャレンジしても落ちる可能性アリ
今年受けてダメだった業界に来年もう一度チャレンジしようするなら、相当の覚悟を持って臨みましょう。なぜなら、「今年受けてダメだった」ということは、あなたに何らかのその業界に「落ちる要素」があったということです。その「落ちる要素」をカバーし、他の就活生と差をつける能力を身に着けるには、大変な努力が必要です。大学受験と同様、ただ浪人したからといって、頑張らなければ現役時代に落ちたところに合格できるわけはありません。インターンをする、学生団体を立ち上げる、企業研究を極める等何でも構いませんが、とにかく就活で差別化できるエピソードや能力を手に入れるべく、努力しましょう。
◆「現役生のまま就活続行」のメリット
1.金銭的・時間的な負担が少ない
留年しないで現役卒業を目指し就活を続けるメリットとして、金銭面と時間面の負担が少ないことが挙げられます。留年すると、留年する分の学費、就活用の雑費(交通費等)が余計にかかる上に、現役で就職していれば得られた一年分の収入(約300万円)が失われます。また、入社した際、周りより一年歳をとっていることになります。現役生で就職することができれば、このような金銭的・時間的な負担を負わずに済みます。
2.あきらめずに就活を続けていることがプラスに評価される
ただでさえ負担が大きい就活を長期間続けることは、当然ながらとても大変です。その大変さに耐えられず就職留年を決める人も多い中で、あきらめず就活を続けていることは、「粘り強さ」や「あきらめない姿勢」を体現する行動として就活でプラスに評価されます。それに加えて、今まで就活が上手くいかなかった反省点とそれを踏まえた今後の改善点を面接で言うことができればなお良いでしょう。就活のスタートで躓いたとしても、その過程で成長していくことができます。求人が少ないから、続けるのが辛いから等の消極的な理由で就職留年を選択するよりも、今ある状況でベストを尽くした方が結果的に上手くいくことは大いにあります。
◆「現役生のまま就活続行」のデメリット
1.求人が少ない
6月のピークを過ぎると、新卒採用の求人数は急激に減っていきます。また、ピーク時のように一日に数個面接をこなすということはほとんど無くなっていくので、当然ながら就活の長期化が予想されます。よって、就活を続行するならば、業種や職種のこだわりは捨て、とにかく数を受けるようにしましょう。ナビサイトの求人情報を日々チェックするのはもちろんのこと、紹介会社やマッチングイベントを利用してみましょう。まだまだ優良企業は多く残っていますし、よく探せばいわゆる大企業の求人もたまに出てきます。
2.孤独になる
採用時期のピークを過ぎれば、就活人口も減っていきます。同級生も大半が就活を終えている中、一人で就活を続けるのは孤独な戦いです。しかしながら、一人孤独に就活を続けることはオススメしません。長い就活だからこそ、不安を吐き出せる場所、悩みを相談できる人を確保しましょう。両親や先輩などに相談するのでも構いませんし、就活エージェントや就活塾などのプロに頼るのも一つの手です。自分一人の独断で就活を進めるのではなく、それに対してアドバイスをくれ、軌道修正してくれる頼れる人を見つけるのが大切です。
まとめ
就職留年するか、しないかの、どちらもメリット・デメリットがあります。自分が何をしたいのか、どのような人生を歩みたいのかをよく考えて、どちらの選択が良いか決めてください。正解は一つではありません。